万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

天皇の、蒲生野(かまふの)に遊猟(みかり)したまひし時に、額田王の作れる歌

あかねさす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る

巻一(二十)
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茜色の あの紫草の野を行き その御料地の野を歩いてるとき 野の番人は見ていないかしら ああ あなたそんなに袖を振ふらないでよ
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この歌も国語の授業などで必ずといっていいほど習う有名な一首ですね^^

ただ、学校の授業ではここで掲載した大意そのままの意味に解釈されて、正確な意味はあまり教えられることはないかと思います。
(まあ、学校の先生も万葉集の専門家ではないですから、それは仕方がないですが・笑)

現代の感覚からいうと、男性が自分に向かって袖を振っているからといって、なぜそんなに人に見られたら困るのかちょっとわかりにくいですよね。

じつは「袖を振る」とは、この時代の呪式のようなもので、恋しい人の魂を自分のほうへ引き寄せるように、おいでおいでと袖を振る恋の仕草のことなのです。

つまり現代人が手を振るような軽い意味ではなく、この時代では明らかな求愛の仕草なのですね。
しかも、額田王(ぬかたのおほきみ)はこの時点では天智天皇の妻ですが、実は以前はこの歌で袖を振っている大海人皇子(天智天皇の弟)の妻でもあって一女をもうけているのです!!

どうもこのあたりの関係がよくわからないのですが、とにかく今は兄の天智天皇の妻である額田王に、かつての夫である弟の大海人皇子(おほあまのみこ)が隠れて求愛しているという非常に興味をそそられる一首ですね。

いや、実をいうとこの歌は宴席での戯れ言の応酬歌なのだそうですが、そのあたりについてはまた大海人皇子が答えて詠んだ次の歌で解説させてもらいますね(笑)


香芝市総合体育館駐車場前にあるこの歌の歌碑。
近鉄下田駅から徒歩15分ほど。
奈良県香芝市役所のすぐ南にあります。


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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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