万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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ありつつも君をば待たむ打ち靡くわが黒髪に霜の置くまでに
巻二(八七)
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ここに居続けてあなたを待っていよう。長く靡くこの黒髪に霜が置くようになるまででも
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黒髪に霜が置くとは、白髪になるまでという意味。
この歌も先の(八十六)と同じく磐姫皇后(いはのひめのおほきさき)の連作の一首で、「かくばかり…」の歌を受けての歌となっています。
けっきょく迎えにも行けず死ぬことも出来ず、年老いて白髪になるまでここであなたを待っているしか出来ない、というちょっと大袈裟で怨み節にも似た感じもしますが、これもそれだけ夫である仁徳天皇への愛情が深い証拠なのでしょう。
そして実際に磐姫皇后は難波の宮に帰ることなく仁徳天皇を恋焦がれながら亡くなっていくのですが、それについてはまた後の歌で解説させていただきますね。
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万葉集巻二
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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