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万葉集入門
日並皇子(ひなみしのみこ)の命(みこと)の馬並(な)めて御猟(みかり)立たせし時は来向かふ
巻一(四十九)
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日並皇子の命が馬を連ねて出猟なさったあの暁の時刻が、今日もやって来るのだ
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この歌は巻一(四十五)の柿本朝臣人麿の長歌につけられた人麿自身作による四首の反歌のうちの最後の一首です。
日並皇子とは草壁皇子のことで、太陽と並ぶ皇子という皇太子の意味です。
その日並皇子(草壁皇子)が馬を並べて出猟されたかつての時刻がもうすぐやって来る…
そして同じように今度はその子である軽皇子が出猟するのだと詠っているわけです。
なんとも連作の最後を締めるに相応しい見事な一首ですが、もちろんこの歌も単なる過去を想い出している感傷歌の類のものではありません。
この歌によって、まるで過去と現在が同時に存在するような、そんな時間の二重性を感じさせてくれる神秘的なイメージが感じられますね。
また、軽皇子が皇太子(草壁皇子)の生まれ変わりである天皇となるべき正当な後継者(皇太子)であると詠うことによって、言魂の力によってその実現を願っているのではないでしょうか。
うん、このあたりに宮廷歌人としての人麿の本領が見えてくる一首ですね。
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大宇陀町中央公民館の入り口付近、時計台の側にこの歌の歌碑が立っています。
大宇陀町中央公民館は大宇陀町の道の駅の少し北、かぎろひの丘の東横にあります。
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歌碑裏。
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明日香村の高松塚古墳の南にある文武天皇陵。
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軽皇子は後に即位して文武天皇となりました。
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