万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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吉野の宮に幸(いでま)しし時に、弓削皇子(ゆげのみこ)の額田王(ぬかたのおほきみ)に贈り与へたる歌一首

古(いにしへ)に恋ふる鳥かも弓絃葉(ゆづるは)の御井(みゐ)の上より鳴き渡り行く

巻一(一一一)
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昔を恋しく思う鳥だろうか、弓絃葉の御井の上を鳴きながら渡ってゆくよ。
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弓削皇子(ゆげのみこ)は天武天皇の第六皇子で長皇子の弟。
この歌は持統天皇が吉野の宮に行幸された時に同行した弓削皇子が、大和(藤原京でしょうか)にいる額田王(ぬかたのおほきみ)に贈り与へた一首です。
この鳥は不如帰(ホトトギス)のことで、中国の古事に蜀の望帝が退位後に復位しようとしたが死んで叶わずホトトギスとなり、「不如帰(帰るにしかず)」と鳴いているのだという伝説をもとにしてのものだそうですが、その故事と天武天皇の在世当時の昔を偲ぶ想いを掛けて詠んだ歌かと思われます。
天武天皇が生きていらっしゃったあの頃にはもう帰れないのだろうとの寂しい想いとともに、天武天皇にゆかりの多い吉野の宮で、亡くなった天皇の魂を慰めようとする鎮魂の意思も感じられますね。
あるいは望王の古事のように、弓削皇子は鳴きながら吉野の空を渡り行く不如帰に父である天武天皇が「不如帰(帰るにしかず)」と鳴いている姿を感じ取ったのかも知れません…


吉野の宮滝遺跡。
吉野町立中荘小学校(すでに閉校し現在は野外学校として利用されています。)の側。


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万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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