万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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籠もよ み籠持ち 掘串もよ

天皇の御製歌(おほみうた)

籠(こ)もよ み籠(こ)持ち 掘串(ふくし)もよ み掘串(ぶくし)持ち この丘に 菜摘(なつ)ます児(こ) 家聞かな 名告(なの)らさね そらみつ 大和(やまと)の国は おしなべて われこそ居(お)れ しきなべて われこそ座(ま)せ われこそは 告(の)らめ 家をも名をも

巻一(一)
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籠(かご)よ 美しい籠を持ち 箆(ヘラ)よ 美しい箆を手に持ち この丘で菜を摘む乙女よ 君はどこの家の娘なの? 名はなんと言うの? この、そらみつ大和の国は、すべて僕が治めているんだよ 僕こそ名乗ろう 家柄も名も
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万葉集の巻頭を飾る雄略天皇の御製歌です。
だいたい今風(僕風?)に要約するならこんな感じの意味になります…^^
ぶっちゃけた話、天皇が野原で菜を摘む女の子をナンパしている歌ですね(大笑)

籠や箆などの持ち物を褒めているのは、いまでいう「かわいい服だね」とかいった感じです。
そして最後に自分自身を自慢するというところもなんだか現代人に通じる心がありますね。

まあ、実際には大和国原があまねく天皇の統治する平和な国であれとの願いを込めた歌でもあり雄略天皇自身の作かどうかも微妙なところなのですが、こういう歌を巻頭の一番最初に持ってくる辺りが万葉集のおおらかで自由な気風をよく表しているように思います。


なお、この歌は長歌になっています。
長歌とは、5、7、5、7、5、7…と適当な長さで続けていき、最後を7、7で締める歌のことです(この歌は純粋な長歌形式ではなくかなり変則的ですが^^;)
万葉集巻(まき)一にはこのような長歌が多く含まれていますが、どれも名歌ばかりですので、しばらくは短歌でなく長歌でお付き合いをお願いしますね。


万葉集の楽しみ方
万葉集の歌を学ぶ場合、もちろん古語や文法などはすごく参考になり大切なのですが、最初はそのようなことを無視して、もとの歌の「調べ(リズム)」と大意を重ね合わせて楽しむようにしてみてください。

この歌の場合も、「籠(かご)よ 美しい籠を持ち 箆(ヘラ)よ 美しい箆を手に持ち…」という意味を思い出しながら、「こもよ、みこもち、ふくしもよ、みぶくしもち…」と声に出して読んでみましょう。
そうすることで歌はふたたび詠まれた当時の息吹を拭き返し、雄略天皇が菜を摘む乙女に詠いかけている情景が、目に浮かんでくることかと思います。


奈良県桜井市泊瀬朝倉の地にある白山神社あたりが雄略天皇の朝倉宮のあった場所ではないかと言われています。
この「籠もよ み籠持ち…」の歌もこの地で詠まれたものなのでしょう。



白山神社は国道165号線沿いにあります。



白山神社境内にある「籠もよ み籠持ち…」の歌碑。


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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一


万葉集書籍紹介
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県立万葉文化舘館長でもあられた中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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