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万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴(おほとも)の御津の浜にある忘れ貝家にある妹(いも)を忘れて思へや

右の一首は身人部王(むとべのおほきみ)

巻一(六八)
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大伴の御津の浜の忘れ貝よ、家に残してきた妻を忘れることはなどないよ。
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この歌は身人部王(むとべのおほきみ)が旅先で詠んだ一首。
身人部王は笠縫女王(かさぬひのおほきみ)の父。

「忘れ貝」は蛤に似た小さな貝で、恋忘れ貝と言われていたようです。
そんな「恋を忘れさせるという忘れ貝と言えども、僕は家に残してきた妻を忘れることなどないよ」と、この歌も旅先での不安な心の動揺を妻を想うことで鎮めようとした旅の鎮魂歌ですね。
「恋を忘れさせるという貝」を持ってきて「それでも妻を忘れることなどない」と詠うことで逆に、よりいっそう妻への想いの強さが強調される言霊としての力の効果を願ったのでしょう。
この歌もまた、万葉集の時代の夫と妻の心の結びつきの強さをあらためて感じさせてくれる一首のように思います。


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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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