万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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神山(かむやま)の山辺真麻木綿短木綿(やまへまそゆふみじかゆふ)かくのみ故(から)に長くと思ひき

巻二(一五七)
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三輪山の山辺に奉る麻の幣のように短かった君との逢瀬故に、もっと長くいっしょに居たいと思ったものです。
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この歌も十市皇女(とをいちのひめみこ)が亡くなったときに高市皇子(たけちのみこのみこと)が詠んだ三首の挽歌のうちのひとつ。
挽歌というよりはほとんど恋歌ですが、亡くなった十市皇女の魂に直接語り掛ける言葉の形を取ったとき、このような素直な気持ちの表現になったのでしょうね。
「神山の山辺真麻木綿」とは、神の山に奉納する麻の幣のことです。
三輪山の麻幣は他に比べて短いものだったのでしょうか。
そんな三輪山の麻の幣のように短かった十市皇女との逢瀬を回想し、「もっと長く一緒に居たいと思ったものだ。」と語り掛けています。
これは単純にその時の逢瀬だけでなく、その後の人生も…という意味が込められているのでしょうね。
歌の表現自体は難解ではありますが、その伝えようとしているところは至極明快で現在人にもよく共感のできる一首ですよね。


奈良県桜井市の檜原神社側にあるこの歌の歌碑。



添碑。



歌碑は檜原神社の前の山辺の道を北に進んだこのような斜めの大杉の根元側に建っています。



三輪山。



三輪山には大神神社の摂社、狭井神社の境内から登拝出来ます。
狭井神社で午後2:00までに登拝の申し込み(登拝料300円)を済ませて、往復で約4キロを午後4:00までには戻ってくる必要があります。
また、登山ではなくあくまで参拝のための登拝ですので、登拝中の写真撮影や水以外の飲食などは一切禁止です。


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万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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