万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
み立たしし島を見る時にはたづみ流るる涙止めそかねつる
巻二(一七八)
-----------------------------------------------
皇子がかつてお立ちになられた庭園の島を見ると、雨の流れるように涙が流れ出て止められないのです。
-----------------------------------------------
この歌も舎人たちが詠んだ草壁皇子の死を悼む二十三首の晩歌のうちの一首。
草壁皇子の宮殿は現在の石舞台周辺にあったとされ、島の宮とも呼ばれた人工の池が美しい宮殿だったと云われています。
そんな島の宮の庭園の池の中に作られた島。
「かつて草壁皇子がお立ちになっていたその島をいま見るといまはもう皇子のお姿はなく、雨の流れるように涙が流れ出て止められない…」との、皇子に仕えた舎人の悲しさが率直に詠われています。
庭園の島に立たれる生前の草壁皇子の姿が記憶にはっきりと残っているからこそ、その姿の見えない島の情景がより一層空しく寂しいものとして舎人たちの心を悲しませたのでしょうね。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販