万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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塒(とくら)立て飼ひし鴈(かり)の子巣立(すだ)ちなば壇(まゆみ)の岡に飛び帰り来ね

巻二(一八二)
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塒を立てて飼ってきた雁の雛よ、巣立って去ったなら壇の岡に帰って来い。
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この歌も草壁皇子の死を悼んで舎人たちが詠んだ晩歌のうちの一首。
「塒」は鳥のねぐら。
草壁皇子の宮である島の宮で飼っていた雁の雛に「巣立った後は今度は皇子の眠る檀の岡に帰って来い」と詠っているわけですね。
それだけでなく舎人自身もまた「これからは檀の岡を皇子の宮だと思ってお仕えします」と草壁皇子の魂に対して語り掛けているのでしょう。
この歌もまた、仕えるべき皇子を喪った舎人の哀しさをよく伝えてくれる一首のように思います。


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万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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