万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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朝曇(あさくも)り日の入りぬればみ立たしし島に下(お)り居(ゐ)て嘆きつるか

巻二(一八八)
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朝だというのに曇って日も入らないので、皇子がお立ちになっていた島に下り嘆き悲しんでいます。
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この歌も舎人たちが詠んだ草壁皇子の死を悼む二十三首の晩歌のうちのひとつ。
雲って日も入らない朝とは、日の御子(草壁皇子)が亡くなって雲隠れしたという意味も込められています。
「島」とは草壁皇子の島の宮の池にあった島。
「皇子がお隠れになったので、私は生前に皇子がお立ちになっていた島の宮の池の島に立って嘆き悲しんでいます」との、舎人の悲しみが伝わってくる一首ですね。
舎人たちにとって、草壁皇子の存在はまさに太陽そのもののような日の御子であり、その死は空から太陽が隠れてしまったように心を曇らせたのです。


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万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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