万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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真木柱(まきばしら)太き心はありしかどこのわが心鎮(しづ)めかねつも

巻二(一九〇)
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真木の柱のように太くしっかりとした心を持っているはずなのにこの悲しい心を鎮めることが出来ないよ。
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この歌も草壁皇子の死を悼んで舎人たちが詠んだ二十三首の晩歌のうちのひとつ。
「真木」は巨木のことで、「真木柱」は巨木で出来た立派な太い柱の意味。
そんな「太く立派な真木柱のようにしっかりとした心を持っていたはずなのに、草壁皇子を喪った悲しみの動揺を鎮めることが出来ないよ」との、皇子を喪った心の動揺を隠すことなく素直に詠った挽歌ですね。
たしかに、どんな巨木のような太い心も、自分が最も大切にする者を喪った時には簡単に折れてしまいそうになるように思います。
その心の動揺を素直に歌にすることで、自身の心だけでなく草壁皇子の無念の魂をも慰めているのでしょう。
折れてばらばらになってしまいそうな心をなんとか繋ぎとめようとする舎人の想いが歌となって、千数百年経った現在にもその悲しみの「調べ」を伝えてくれる一首ですね。


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万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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