万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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はたこらが夜昼と言わず行く路をわれはさながら宮道(みやぢ)にぞする

巻二(一九三)
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農夫たちが夜昼と言わず行き来する道を、私はさながら宮道のごとく歩いています。
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この歌も舎人たちが詠んだ草壁皇子の死を悼む二十三首の晩歌のひとつで最後の一首。
この「路」とは、舎人らが明日香から草壁皇子の御墓のある佐太の岡辺まで侍宿に出むくときの道のことで、途中の檜前あたりの道のことでしょうか。
「農夫たちが夜昼を問わずに行き来する道を、私はまるで宮殿に出仕するかのように歩いています」との、皇子を喪った自身の境遇を悲しんで詠んだ一首ですね。
同時に、草壁皇子が亡くなった今も「皇子に仕える心は変わらずに出仕していますよ」と、草壁皇子の魂に語り掛けその魂を慰めている鎮魂歌でもあるのでしょう。
このようにして、草壁皇子に仕えた舎人たちは、荒れた島の宮で、侍宿に向かう道の途中で、佐太の岡辺で、それぞれに草壁皇子の魂を側に感じながら鎮魂の歌を詠いその魂を慰めたのでしょう。


檜前寺の杜の前の歴史公園。
現在はキトラ古墳周辺地区の歴史公園として整備されています。
ちなみに写真の復元された飛鳥時代の建物らしきものはそれほど丈夫なものではなさそうなので、いつまでここにあるかは不明です^^;
(写真は2015年1月撮影時のもの)


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万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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