万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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葦北(あしきた)の野坂の浦ゆ船出(ふなで)して水島に行かむ浪(なみ)立つなゆめ

巻三(二四六)
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葦北の野坂の浦から船出して来て、さあ水島へ上陸しよう。波よ立たないでくれ、くれぐれも。
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この歌も先の巻三(二四五)の歌と同じく、長田王(をさだのおほきみ)が筑紫(つくし)に派遣された時に、水島に渡る船上にて詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
「葦北(あしきた)」は熊本県の葦北郡。
「野坂の浦」は田浦町田浦あたりでしょうか。
そんな「葦北の野坂の浦から船出して来て、さあ水島へ上陸しよう。波よ立たないでくれ、くれぐれも。」と、こちらの歌でも言魂の力で穏やかな水島への着岸を祈る一首となっています。
海というのは突然波が大きくなって荒れたりと、この時代の人々にとってはまさに人知を超えた大自然の畏れの対象でもあったのでしょうね。

長田王のこれらの歌を読むと、万葉集の時代の人々がいかに旅先の土地の神々や大自然の存在を畏れ敬っていたのかがよくわかるようにも思います。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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