万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)の羈旅(たび)の歌八首

御津(みつ)の崎波を恐(かしこ)み隠(こも)り江(え)の舟に公宣(きみの)る美奴(みぬ)の島へに

巻三(二四九)
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御津の崎の波を恐れて入り江の舟で君は祈っています。美奴の島に。
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この歌は柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が詠んだ八首の旅の歌のうちのひとつ。
「御津(みつ)の崎」は難波(大阪)の御津の崎こと。
「美奴(みぬ)の島」については所在は不明です。
そんな「御津の崎の波を恐れて入り江の舟で君は祈っています。美奴の島に。」と、波を恐れて入り江の舟で航海の安全を祈っている人麿たち一行を詠った内容の一首ですね。

ただ、四句目以降の訓については未だ確定していないようで、あるいは「御津の崎の波を恐れながら入り江の舟に君は乗っている。美奴の島に行こうとして…」のような解釈も出来るかも知れませんね。
まあ、どちらにしても歌の根本部分の意味は変わらないかとは思いますが。

この歌もまた、人麿たちの時代の人々がいかに海の神々や大自然の不思議なる力を畏れ生きていたのかがよくわかる一首のように思います。


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万葉集巻三


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万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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