万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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柿本朝臣人麿の歌一首

淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝(うみゆふなみちどりな)が鳴けば情(こころ)もしのに古(いにしへ)思ほゆ

巻三(二六六)
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淡海の海の夕波の上を飛ぶ千鳥が鳴けば心もしなえるように昔のことが思い出されるなあ。
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この歌は柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が詠んだ一首。
「淡海(あふみ)の海」は「琵琶湖」のこと。
「古(いにしへ)」とは近江に京があったころのことでしょう。

「淡海の海の夕波の上を飛ぶ千鳥が鳴けば心もしなえるように昔のことが思い出されるなあ。」と詠うことで、かつての近江京の人々、そして壬申の乱で亡くなった人々の魂を慰めようとした鎮魂歌なわけですね。
人麿たち万葉集の時代の人々は、廃れてしまったかつての京や戦いで多くの人々の命が失われた場所にはそこで亡くなった人々の無念の魂が居付いていると信じていました。
そしてそのような場所を通る時には、この歌のように鎮魂歌を詠って無念の魂を慰めることで自らの身に悪しき災いが降りかかるのを避けようとしたのです。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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