万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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石川少朗(いしかはのをといらつこ)の歌一首

志賀(しか)の海人(あま)は藻刈(めか)り塩(しほ)焼き暇(いとま)なみ髪梳(くしら)の小櫛(をぐし)取りも見なくに

右は今案(かむが)ふるに、石川朝臣君子、号(な)を少朗子(をといらつこ)といへり。

巻三(二七八)
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志賀の海人のおとめは海藻を取ったり塩を焼いたりと暇がないので髪を梳く小櫛を手に取ってみることもないのだろう…
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この歌は、石川少朗(いしかはのをといらつこ)が詠んだ一首。
「石川少朗」は左注によると「石川朝臣君子(いしかはのあそみきみこ)」のことで男性のようですね。

そんな石川君子が詠んだ一首ですが「志賀の海人のおとめは海藻を取ったり塩を焼いたりと暇がないので髪を梳く小櫛を手に取ってみることもないのだろう…」と、志賀の海人のことを詠った内容となっています。
読みようによっては田舎の海人をからかった歌とも取れて解釈が分かれている一首ですが、これはやはり髪の手入れをする暇もないほどに生業に勤しむ海人を讃えている歌と解釈したほうがよいのではないでしょうか。
同時に、旅路で見た海人のおとめに心を寄せて詠うことで、旅の不安に動揺する自身の心を鎮めようとした歌のようにも感じられますね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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