万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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間人宿禰大浦(はしひとのすくねおほうら)の初月(みかづき)の歌二首

天(あま)の原ふりさけ見れば白真弓(しらまゆみ)張りて懸(か)けたり夜路(よみち)は吉(よ)けむ

巻三(二八九)
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大空を振り仰いでみると白い真弓を張ったように三日月が懸っているよ。夜道は明るくてよいだろう。
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この歌は間人宿禰大浦(はしひとのすくねおほうら)の初月(みかづき)が三日月を詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
「真弓(まゆみ)」は檀(まゆみ)の木で作った弓のことで、三日月を譬えたもの。

「大空を振り仰いでみると白い真弓を張ったように三日月が懸っているよ。夜道は明るくてよいだろう。」との、まるで三日月の下の明るい夜道が目に浮かんでくるような一首ですよね。
「夜路(よみち)は吉(よ)けむ」は、「明るくて良い」の意味と同時に吉事を願っての意味もあるのでしょうか。

あるいはこれは間人大浦が恋人に逢いに行く時の歌だったのかも知れませんが、これから歩まねばならない夜道の無事を祈っての言霊の意味が込められた歌なのかも知れませんね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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