万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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角麿(つののまろ)の歌四首

ひさかたの天(あま)の深女(さぐめ)の石船(いはぶね)の泊(は)てし高津(たかつ)は浅(あ)せにけるかも

巻三(二九二)
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遠く天上からやって来た深女の石船が泊まったという高津は、すっかり浅瀬になってしまったのだなあ。
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この歌は角麿(つののまろ)が詠んだ四首の歌のうちのひとつ。
「角麿」は「角兄麿(ろくのえまろ)」のことかとも言われますが、詳しいことは不明。

そんな角麿の詠んだ一首ですが「遠く天上からやって来た深女の石船が泊まったという高津は、すっかり浅瀬になってしまったのだなあ。」と、神話に伝えられる高津を詠ったものとなっています。
「深女(さぐめ)」は、天孫降臨神話で天稚彦に付き添って天下った神。
深女の乗った石船は高津に泊まったとの伝説がありますが、そんな高津も角麿の時代には浅瀬になってしまっていたのでしょう。

ただ、この歌は浅瀬になってしまったことを嘆いているというよりは、むしろ「今はもう浅瀬になってしまっているがこの高津は神話に詠われた由緒ある場所である」と褒め称えた土地讃めの歌のように思えます。

角麿の旅の歌が続きます。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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