万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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昼見れど飽(あ)かぬ田児(たご)の浦大君(おほきみ)の命恐(みことかしこ)み夜(よる)見つるかも

巻三(二九七)
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昼に見ても見飽きない田児の浦を大君の命を尊んで旅するまま来て、夜に見ることになったなあ。
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この歌も先の巻三(二九六)の歌と同じく、上野守に任命された田口益人大夫(たぐちのますひとのまへつきみ)が、赴任先へ向かう途中で詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
「昼に見ても見飽きない田児の浦を大君の命を尊んで旅するまま来て、夜に見ることになったなあ。」と、旅の途上で夜の田子の浦にたどり着いたことが詠われています。
「夜(よる)見つるかも」は、昼の美しい田子の浦を見れなかったことへの不満の意味がありますが、逆にいえば素晴らしい田子の浦を日中に見て見たかったとの土地讃めの意味でもあるのでしょう。

また「大君(おほきみ)の命恐(みことかしこ)み」と詠うことで天皇を讃える歌ともなっていて、いかにも朝廷の官人らしい一首でもありますよね。
以上、田口益人が詠んだ旅の歌二首でした。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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