万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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生石村主真人(おふしのすぐりまひと)の歌一首
大汝少彦名(おほなむちすくなひこな)おいましけむ志都(しつ)の石室(いはや)は幾代経(いくよへ)にけむ
巻三(三五五)
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大汝や少彦名がいらしたというこの志都の石室はどれほどの年月を経て来たのだろう。
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この歌は生石村主真人(おふしのすぐりまひと)の詠んだ一首。
生石村主真人は大石村主真人と同人でしょうか。
「村主(すぐり)」は渡来人への贈姓なので、大陸から渡来してきた人物の一族なのでしょう。
「志都(しつ)の石室」は、島根県邑智郡瑞穂町岩屋や島根県大田市静間町、兵庫県高砂市生石など諸説ありますがはっきりとした所在は不明。
「大汝(おほなむち)」は大国主の神のことで、少彦名(すくなひこな)とともに国造りした神話があります。
歌の内容は、そんな「大汝や少彦名がいらしたというこの志都の石室はどれほどの年月を経て来たのだろう。」と、大汝や少彦名のいた神話の時代に思いを馳せて、目の前の志都の石室が由緒ある場所であると讃えたいわゆる土地讃めの一首ですね。
このように、由緒ある場所を訪れた万葉の時代の旅人はその土地を讃える歌を詠んで奉めることで、時に荒ぶる土地の神を鎮めたりその神の加護を得ようとしたのです。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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