万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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山部宿禰赤人の歌六首

繩(なは)の浦ゆ背向(そがひ)に見ゆる沖(おき)つ島漕(こ)ぎ廻(み)る舟は釣(つり)しすらしも

巻三(三五七)
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繩の浦の背後に見える沖の島に舟が漕ぎ廻ってゆくよ。あの舟は釣りをしているようだなあ
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この歌は山部宿禰赤人(やまのべのすくねあかひと)が詠んだ旅の歌六首のうちのひとつ。
「繩(なは)の浦」は兵庫県相生市那波町の海岸。
「背向(そがひ)に見ゆ」は背後に見えるの意味ですが、この場合は赤人の背後ではなく繩の浦の背後(向う側)に島があるという意味です。

そんな「繩の浦の背後に見える沖の島に舟が漕ぎ廻ってゆくよ。あの舟は釣りをしているようだなあ」との、沖の釣り舟を詠った一首ですが、これも漁の盛んな豊かな海を讃えて詠んだ土地讃めの歌なわけですね。
奈良時代になると仏教など大陸から入って来た文化の影響もあって日本古来の土地の神々に対する畏れの心にも少し変化が現れて来るのですが、そんな中でもこの山部赤人は飛鳥時代の柿本人麿などの流れを受け継いで、土地の神々を讃えるこのような呪術的な要素を感じさせる歌を多く残しています。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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