万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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出雲守門部王(いづものかみかどべのおほきみ)の京(みやこ)を思(しの)へる歌一首 後に、大原真人(おほはらのまひと)の氏を賜へり
飫宇(おう)の海(うみ)河原(かはら)の千鳥汝(な)が鳴けばわが佐保河(さほがは)の思(おも)ほゆらくに
巻三(三七一)
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飫宇の海の河原の千鳥、お前が鳴くとわが故郷の佐保川のことが思い出されて仕方がないよ。
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この歌は出雲守(いづものかみ)として出雲国に赴任していた門部王(かどべのおほきみ)が奈良の都を思い出して詠んだ一首。
この時代には門部王と呼ばれる人物が二人いたようですが、左注によるとこの歌の門部王は後に臣下に下って大原真人(おほはらのまひと)の氏を賜った人物のようです。
「飫宇(おう)の海」は島根県の宍道湖の横の中海。
「河原(かはら)」は「出雲郷(あだかい)川の河原。
そんな出雲の国にいた門部王が詠んだ歌ですが「飫宇の海の河原の千鳥、お前が鳴くとわが故郷の佐保川のことが思い出されて仕方がないよ。」と、飫宇の海の河原の千鳥の鳴き声を聞いて、奈良の佐保川のことを懐かしんで詠んだ内容となっています。
おそらくは佐保河でも鳥の鳴き声がよく聞かれたのでしょうね。
遠い出雲の地で故郷の奈良への思慕を詠った静かな魅力の一首のように感じます。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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