万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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湯原王の宴席(えんせき)の歌二首
あきづ羽(は)の袖振(そでふ)る妹を玉くしげ奥に思(おも)ふを見たまへわが君
巻三(三七六)
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とんぼの羽のような袖を振って舞うこの女性をわたしは心の奥に大切に思っています。さあご覧くださいわが君よ。
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この歌は湯原王(ゆはらのおほきみ)が宴席(えんせき)で詠んだ二首の歌のひとつ。
「あきづ」は蜻蛉(とんぼ)のこと。
そんな「とんぼの羽のような袖を振って舞うこの女性をわたしは心の奥に大切に思っています。さあご覧くださいわが君よ。」と、自身が大切に思う女性の舞を賓客に披露した一首ですね。
「わが君」とは、賓客を敬った表現ですが、「あなたのために舞わせている大切な子なのです」との格別のもてなしの意味なのでしょう。
まるで実際に袖を振って舞う女性の姿が目に浮かんでくるような、そんな魅力の一首のように思います。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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