万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
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(解説:黒路よしひろ)

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余明軍(よのみやうぐん)の歌一首

標結(しめゆ)ひてわが定(さだ)めてし住吉(すみのえ)の浜の小松(こまつ)は後(のち)もわが松

巻三(三九四)
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標を結んで私のものと決めておいた住吉の浜の小松は、将来もずっと私のものです。
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この歌は余明軍(よのみやうぐん)の詠んだ一首。
余明軍は百済王族系の渡来人とも云われています。

歌の内容としては「標を結んで私のものと決めておいた住吉の浜の小松は、将来もずっと私のものです。」と、住吉の小松を詠っていますが、これも当然そのままの意味ではなく住吉の少女を松に譬えた譬喩歌で相聞の一首と言えるでしょう。
おそらくは難波の宮などへ行く途上で住吉を訪れたときに出会った少女(遊女でしょうか)と関係を持ち、「君は成人した後も私のものだよ」と将来の婚姻を誓った歌なのでしょうね。

「後もわが松」の一言に込められた余明軍の言霊としての願いも感じ取れて、何とも素敵な一首のように思います。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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