万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
娘子(をとめ)の、佐伯宿禰赤麿(さへきのすくねあかまろ)の贈(おく)れるに報(こた)へたる歌一首
ちはやぶる神の社(やしろ)し無(な)かりせば春日(かすが)の野辺(のべ)に粟蒔(あはま)かましを
巻三(四〇四)
----------------------------------------------
おそろしい神さまの社がなかったなら春日の野辺に粟を蒔くのですが…
----------------------------------------------
この歌は佐伯宿禰赤麿(さへきのすくねあかまろ)が娘子(をとめ)に贈った歌に、娘子が返した返歌。
娘子の名は伝わっていません。
また、佐伯赤麿が先に贈った歌も万葉集には集録されていません。
佐伯赤麿についても詳しいことはなにも分かっていないようですね。
「神の社」は春日大社のことでしょうが、ここでは赤麿の妻(この時代は一夫多妻の夫婦の形も普通にありました)のことを譬えているようにも取れます。
春日の野に赤麿の妻の家があったということでしょうか。
そんな「おそろしい神さまの社がなかったなら春日の野辺に粟を蒔くのですが…」と、「粟蒔く(あわまく)」に「逢はまく」をも掛けて赤麿の誘いを断ったわけですね。
まあ、求婚の断りの歌に利用されてしまった春日大社の神さまはいい迷惑かも知れませんが(笑)
奈良の春日大社。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻三の他の歌はこちらから。
万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販