万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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河内王(かふちのおほきみ)を豊前国(とよのみちのくちのくに)の鏡山(かがみのやま)に葬(はふ)りし時に、手持女王(たもちのおほきみ)の作れる歌三首

王(おほきみ)の親魄逢(にきたまあ)へか豊国(とよくに)の鏡山(かがみのやま)を宮とさだむる

巻三(四一七)
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王君の静かな御心にかなったからでしょうか豊国の鏡山を永遠の宮と定められたことです。
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この歌は河内王(かふちのおほきみ)を豊前国(とよのみちのくちのくに)の鏡山(かがみのやま)に葬った時に、手持女王(たもちのおほきみ)が詠んだ三首の歌のうちのひとつ。
「豊前国」は現在の福岡県東部と大分県北西部のあたり。
河内王は持統三年(六八九)に太宰師として筑紫の大宰府に派遣され、その地で亡くなったようですね。
手持女王は河内王の妻でしょうか。

そんな河内王を鏡山に葬ったときに手持女王の詠んだ挽歌ですが、「王君の静かな御心にかなったからでしょうか豊国の鏡山を永遠の宮と定められたことです。」と、遠く都を離れた豊前の鏡山に河内王が永遠に葬られたことを悲しむ一首となっています。

「王君の静かな御心にかなったからでしょうか」との問いかけが、河内王の生前を偲ぶようでなんとも悲しげに響いてくる一首ですよね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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