万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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今のみの行業(わざ)にはあらず古(いにしへ)の人そまさりて哭(ね)にさへ泣(な)きし

巻四(四九八)
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現在だけのことではないだろう昔の人も僕に勝って恋に泣いたのでしょう。
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この歌も柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)の詠んだ恋歌とされる四首のうちのひとつで、先の巻四(四九七)の歌に対する自答の一首でしょうか。
「現在の僕だけではないのだろう。昔の人もきっと僕に勝って恋に泣いたのでしょう。」と、昔から人は恋に苦しみ泣くものなのだと自分に言い聞かせて自身を慰めているわけですね。
「古の人」だけでなく、人麿にとっては「未来の人」であるわれわれもまた同じように恋に泣く夜を過ごしていることを思うと、人間というものはこれから先のどんなに科学が進歩した世界でもきっと人麿と同じように恋に眠れぬ夜を過ごしているのでしょう。
そしてこれから先の未来の人々もまた人麿の歌を口ずさみ「古い人そまさりて…」と、自身を慰めているようなそんな気がします。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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