万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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五年戊辰(ぼしん)、大宰少弐石川足人朝臣(だざいのせうにいしかはのたりひとのあそみ)の遷任(せんにん)するに、筑前国(つくしのみちのちのくに)の蘆城(あしき)の駅家(うまや)にして餞(うまのはなむけ)せる歌三首

天地(あめつち)の神も助けよ草枕旅ゆく君が家に至(いた)るまで

巻四(五四九)
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天地の神もお守りください。草を枕の旅ゆくあなたが無事家に着くまで。
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この歌は、大宰少弐(だざいのせうに)として筑紫の大宰府に赴任していた石川足人朝臣(いしかはのたりひとのあそみ)が、その任を終えて帰るときに餞別に詠まれた三首の歌のひとつ。
集団としての餞別歌なので作者はあえて不詳となっています。

石川足人は、おそらく大伴旅人(おほとものたびと)とともに大宰府に赴任してきた小野老(おののおゆ)の前任者で、旅人たちの赴任と入れ替えに奈良の都に戻ったようですね。
そんな都へ帰ってゆく石川足人に「天地の神もお守りください。草を枕の旅ゆくあなたが無事家に着くまで。」と、都までの旅の無事を天地の神に祈った一首となっています。
ただ、同じ旅の歌でも柿本人麿たちの時代の旅の歌に比べてどこか切迫感が少ないのは、律令制度の確立とともに国内が整備されてこの時代の旅がそれほどには危険なものでなくなってきていたからでしょうか。
この歌でも、どこか儀礼化した儀式歌の範疇に収まってしまったような、そんな気軽さが感じられるような気もします。

まあ、それでも人々が旅行く者の無事を神々に祈る習慣はまだ失われてはいなかったようですね。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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