万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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丹生女王(にふのおほきみ)の太宰師大伴卿(そちおほとものまへつきみ)に贈れる歌二首

天雲(あまくも)の遠隔(そくへ)の極(きはみ)遠けども心し行けば恋ふるものかも

巻四(五五三)
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天雲の彼方の果てのように遠いけれども心が飛んで行くのでこんなにも恋しいのでしょう。
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この歌は丹生女王(にふのおほきみ)が大宰府にいる大伴旅人(おほとものたびと)に贈った二首の歌のうちのひとつ。
大伴旅人は大伴家持の父で、この頃、太宰師(だざいのそち)として筑紫の大宰府に派遣されていました。
丹生女王についてはあまり詳しいことは分かっていないのですが丹生王(にふのおほきみ)と同一人物とも思われ、旅人と都で交流があったようですね。
一応、恋歌のようにも取れる一首ですが大伴旅人はこの時すでに高齢でしたし、これは気心の知れた者同士の挨拶歌と取るべきでしょうか。
あるいは旅人からの手紙などへの返事に添えた歌だったのかも知れませんね。

遠く筑紫の地にいる旅人のことを考えると懐かしい親しみを感じて仕方がない、との心のこもった一首のように思えます。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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