万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大宰師大伴卿の大弐丹比県守卿(だいにたぢひのあがたもりのまへつきみ)の民部卿(みんぶきやう)に遷任(せんにん)するに贈れる歌一首

君がため醸(か)みし待酒安(まちざけやす)の野に独(ひと)りや飲まむ友無(ともな)しにして

巻四(五五五)
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あなたのためにと作って来たもてなしのお酒を安の野に私は一人で飲むのでしょうか。これからは友も居なくなって…
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この歌は民部卿に就任して大宰府から都へ帰っていく大弐丹比県守(だいにたぢひのあがたもり)に、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)が贈った一首。
丹比県守は大宰府での旅人の部下であると同時によき呑み友達でもあったのでしょう。
そんな丹比県守が都へ帰ってゆく寂しさを「あなたのためにと作って来たもてなしのお酒を安の野に私は一人で飲むのでしょうか。これからは友も居なくなって…」と詠った、別れを惜しむ心情のよく表れている一首ですよね。

「安の野」は今の福岡県朝倉郡夜須町のあたりで、大伴旅人はよくここで丹比県守と酒を酌み交わしたのでしょう。
友の民部卿への就任と都への帰還を心から喜びながらも、ひとり大宰府に残される旅人の寂しさが歌から伝わってきますね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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