万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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大宰府大監(だざいのだいげん)大伴宿禰百代(ももよ)の恋の歌四首
事(こと)も無く生(い)き来(こ)しものを老(おい)なみにかかる恋にもわれは遇(あ)へるかも
巻四(五五九)
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無事に今日まで生きて来たのに年老いてこんな恋に私は出会ってしまったよ。
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この歌は大宰府大監(だざいのだいげん)の大伴宿禰百代(おおともすくねももよ)が詠んだ四首の恋歌の内のひとつ。
誰のことを念頭に置いて詠まれた歌なのかははっきりしませんが「無事に今日まで生きて来たのに年老いてこんな恋に私は出会ってしまったよ。」との、老境の身で出会った恋の戸惑いと喜びが素敵に表現された一首ですよね。
あるいは大宰府における宴会などの席での戯れに詠まれた恋歌だったのかも知れませんが、それにしても百代の心の中には誰かこの歌の対象になった女性がいたのであろうことは想像できます。
まあ、老境と言ってもこの時の百代は現代人の感覚からいうならまだまだ若い年齢だったようですし、人に恋する思いというのはきっと幾つになっても失われないものなのでしょうね。
大伴百代の恋の歌が続きます。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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