万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
大伴宿禰駿河麿の歌三首
情(こころ)には忘れぬものをたまさかに見ぬ日さ数多(まね)く月そ経(へ)にける
巻四(六五三)
----------------------------------------------
心では忘れてはいないもののたまたま逢わない日が重なって月日が経ってしまいました。
----------------------------------------------
この歌は大伴宿禰駿河麿(おほとものすくねするがまろ)の詠んだ三首の相聞歌の内の一首。
誰に贈った歌なのかは不明ですが他の二首を読む限り明らかに恋歌であり、あるいは正式な婚姻前に大伴坂上二嬢(おほとものさかのうへのおとをとめ)に贈った歌でしょうか。
「心では忘れてはいないもののたまたま逢わない日が重なって月日が経ってしまいました。」とは、少々言い訳じみた言葉ですが、次の巻四(六五四)の歌から判断してこれは「頻繁に逢いに行くのは軽はずみに思われかねないとの判断から意図的に時間を開けていたわけですね。
ただ、逢いに行かないのは逢いに行かないで相手の心が自分から離れてしまうのではないかと心配になって、このように言い訳じみた歌を贈ることにしたのではないでしょうか。
こうやって見ると、万葉集の時代も現代と変わらぬ男女の恋の駆け引きが行われていて面白いものですよね。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販