万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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市原王(いちはらのおほきみ)の歌一首

網児(あご)の山五百重(いほへ)隠せる佐堤(さで)の崎小網延(さきさでは)へし子の夢(いめ)にし見ゆる

巻四(六六二)
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網児の山が幾重にも重なって隠す佐堤の崎の小網を張っていた子が夢に見えるよ。
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この歌は市原王(いちはらのおほきみ)が佐堤の崎で出逢った娘を思って詠んだ一首。
市原王は春日王の孫で、安貴王の子。

「網児(あご)の山」は現在の三重県にある英虞(あご)湾周辺の山でしょうか。
そんな「網児の山が幾重にも重なって隠す佐堤の崎の小網を張って漁をしていた子が夢に見えるよ。」との、海女の子に恋をした歌ですね。
上の句の「網児の山が幾重にも重なって隠す」には、心に秘めて隠す大切な子の意味も込められているのでしょう。

市原王が実際にこの地を訪れたのかどうかははっきりとしませんが、情景の描写の細やかなことや夢にまで見ると詠っていることからおそらくは実際のこの地での海女の子との出逢いがあったのではないかと思われます。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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