万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴宿禰像見(かたみ)の歌一首

石上(いそのかみ)ふるとも雨に障(さは)らめや妹に逢(あ)はむと言(い)ひてしものを

巻四(六六四)
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石上の布留…雨が降るともなんの障害になるだろうか。愛しい君に逢おうと言ったのに。
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この歌は大伴宿禰像見(おほとものすくねかたみ)が詠んだ恋歌。
「石上(おいそのかみ)の布留(ふる)」は現在の奈良県天理市布留の地で石上神宮があります。
そんな「石上の布留」の「ふる」の響きから雨が「降る(ふる)」に続けて、「石上の布留…雨が降るともなんの障害になるだろうか。愛しい君に逢おうと言ったのに。」と、愛おしい女性との逢瀬を喜ぶ内容となっています。

大伴像見に限らず愛おしい人に逢えるのならばどんな雨の中でも出掛けて行くというのは、恋する者ならば誰もが理解できる当然の気持ちですよね。


奈良県天理市布留にある石上神宮。
石上ふるとも…


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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