万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)の歌二首
相(あひ)見ぬはいく久(ひ)さにもあらなくにここだくわれは恋ひつつもあるが
巻四(六六六)
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逢わない日が久しく続いたわけでもないのにこんなにも私は恋いているのですよ。
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この歌は大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)の詠んだ二首の歌のひとつで、先の巻四(六六五)の安倍朝臣虫麿(あべのあそみむしまろ)の歌への返歌。
先の巻四(六六五)の歌で、従姉弟である大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)のもとを訪れていた虫麿が帰宅する際に戯れに恋歌を作って贈ったのに対して、坂上郎女もまた戯れの恋歌として返しています。
「逢わない日が久しく続いたわけでもないのにこんなにも私は恋いているのですよ。」とは、「こんなにあなたを愛しく思っている私を置いて帰ってしまわれるのですか?」との意味でしょうか。
たとえ従姉弟同士の戯れの恋歌であったとしても女性にこんなふうに引きとめられれば男はうれしいものですよね。
さすがに恋の上手の坂上郎女の返歌ですね。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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