万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


厚見王(あつみのおほきみ)の歌一首

朝に日(け)に色づく山の白雲(しらくも)の思ひ過ぐべき君にあらなくに

巻四(六六八)
---------------------------------------------
朝に日に色づく山にかかる白雲のように、心にかかって忘れられないあなたよ。
---------------------------------------------

この歌は厚見王(あつみのおほきみ)が詠んだ恋歌。
厚見王は男性ですが、この歌は下の句の表現などからどうやら女性の立場に立って詠んだ戯れ歌かと思われます。

「朝に日に色づく山」とは秋の紅葉が色づく山のことですが、これは恋に色づく心をこう譬えているのでしょう。
そんな「朝に日に色づく山にかかる白雲のように、心にかかって忘れられないあなたよ。」と、想い人が雲のように心に気にかかって一時も忘れられない女心を素敵に詠っていますね。
男性が女性の立場で歌を詠んだり、女性が男性の立場で歌を詠むことは現代短歌でもよくありますが、すでに万葉集の時代からこのような歌が存在していることに少し驚かされます。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販