万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴家持の交遊(とも)と別れたる歌三首

けだしくも人の中言聞(なかごときか)せかもここだく待てど君の来(き)まさぬ


巻四(六八〇)
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きっと他人の中傷を聞いたのでしょう。こんなに待っているのに君が来ないとは。
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この歌は大伴家持(おほとものやかもち)が友を思って詠んだ三首の相聞歌のうちのひとつ。
「きっと他人の中傷を聞いたのでしょう。こんなに待っているのに君が来ないとは。」と、約束の時間を過ぎていくら待っても友人がやって来ない状況を悲しんだ一首となっています。
おそらく家持には何らかの思い当たる節があったのでしょうね。
誰かが自分たちの関係を引き裂こうと中傷したのだろうと想像しています。

あるいは、政争などに関係した策謀でもあったのか、もしくは単に男の友情に対する嫉妬でもあったのか…
いつの時代も人間関係と言うのは美しさと同時に、妬みや嫉妬が入り混じった醜さをも見せるものなのでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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