万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴坂上郎女の歌七首

いふ言(こと)の恐(かしこ)き国そ紅(くれなゐ)の色にな出(い)でそ思ひ死ぬとも

巻四(六八三)
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人の言葉の恐ろしい国です。紅の色のように表には出さないでくださいね。秘めた思いの苦しさに死んでしまいそうでも…
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この歌は大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ七首の恋歌のうちのひとつ。
誰に対して贈った歌なのかははっきりしないようです。
「人の言葉の恐ろしい国」とは言霊信仰とは無関係で、この場合は人の噂になることの恐ろしさを言ったもの。
「紅(くれなひ)」はベニバナのことで夏に赤い花を咲かせます。

そんな「ベニバナの紅の色のように表には出さないでくださいね。秘めた思いの苦しさに死んでしまいそうでも…」との内容ですが、万葉の時代の人々も周りの勝手な噂話にはずいぶんと苦しめられていたようですね。
場合によっては人々の興味本位で無責任な噂話が原因で、男女の関係が破局してしまうようなこともあったのかも知れません。

恋の経験の豊富な坂上郎女だからこそ、そんな人の噂の怖さを誰よりもよく知っていたのでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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