万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
（解説：黒路よしひろ）

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広河女王（ひろかはのおほきみ）の歌二首　穂積皇子（ほづみのみこ）の孫娘（むまご）、上道王（かみのみちのおほきみ）の女（むすめ）なり

恋草（こひくさ）を力車（ちからぐるま）に七（なな）車積（つ）みて恋ふらくわが心から

巻四（六九四）
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恋を草とするなら大きな車に七車も積んで恋しています私は心から。
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この歌は広河女王（ひろかはのおほきみ）の詠んだ二首の恋歌のひとつ。
広河女王は穂積皇子（ほづみのみこ）の孫娘で、上道王（かみのみちのおほきみ）の娘。

「恋を草とするなら大きな車に七車も積んで恋しています私は心から。」と、自身の恋心を草に譬えて、大きな車が七台も必要なほどの恋のくさぐさを心に抱えていると詠っています。
恋草を力車に七車も積んでいるというのは大胆な表現ではありますが、きっと実際にはそれぐらいでは足りないほどの恋の思いだったのかも知れませんね。
いつの時代も人の恋の悩みとは果てしなく尽きないものなのでしょう。

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万葉集巻四

万葉集書籍紹介（参考書籍）
万葉集（１）〜〜（４）＆別冊万葉集辞典 中西進　（講談社文庫）　定価６２０円〜〜１０２０円（税込み）
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊＆別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの４冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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