万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


一瀬(ひとせ)には千(ち)たび障(さは)らひ逝(ゆ)く水の後(のち)にも逢はむ今にあらずと

巻四(六九九)
--------------------------------------------
ひとつの瀬で何度妨げられようと流れゆく水が後に一緒になるように、後でかならず逢おう。今でなくとも。
--------------------------------------------

この歌も巻四(六九七)の歌と同じく、大伴宿禰像見(おほとものすくねかたみ)の詠んだ三首の恋歌のうちのひとつ。
「岩などに邪魔されて別れようとも流れゆく川の水が後に一緒になるように、後でかならず逢いましょう。今でなくとも。」と、この歌も流れる川の水に二人を譬えて詠った素敵な一首ですね。
これまでの二首は女性の立場に立って詠われていましたが、こちらの一首は主体を男性と取って解釈しても連作としての物語性が出て面白いように思います。

「目の前にどんなに恋の障害があっても、後に必ず結ばれよう」との呼びかけは、あるいは大伴像見が戯れでなく本心から誰かに向かって伝えたい言葉だったのかも知れませんね。
歌の虚構もまた、真実の心を種として生まれてくるものですから…


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販