万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴宿禰家持(やかもち)の娘子(をとめ)の門(かど)に到(いた)りて作れる歌一首

かくしてやなほや退(まか)らむ近からぬ道の間(あひだ)をなづみ参来(まゐき)て

巻四(七〇〇)
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こうしてやって来てもやはり帰るしかないのでしょうか。近くもない道の間を苦労して来たというのに…
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この歌は大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)の家の門を訪れて詠んだ歌一首。
この娘子については詳しいことはわかりませんが、おそらく巻四(六九一)の娘子と同じ人物かと思われます。
家持はこの娘子に深い想いを寄せていたようですが娘子のほうは家持に対してあまり興味はなかったのでしょうか、まともに逢ってすらもしてくれなかったようですね。
この歌でも、家持が近くもない道を娘子の家を訪ねて行ってるにもかかわらず、逢うことが出来ずに帰ってゆくしかないのかと嘆いています。

題詞にある「門(かど)」はこの場合は恋の最初の場として出されているだけで実際に門の前で追い返される意味とは少し違います。
(まあ、逢えないのならば門前払いと同じことですが…)
多くの女性から言い寄られて恋の悩みなど何も知らないような印象もある家持ですが、実際には彼も思うようにならない恋に悩んで眠れぬ夜を過ごす日も多かったのでしょうね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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