万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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巫部麻蘇娘子(かむなぎべのまそのをとめ)の歌二首

わが背子(せこ)を相見しその日今日までにわが衣手(ころもで)は乾(ふ)る時も無し

巻四(七〇三)
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愛しいあなたと逢ったその日から今日まで私の衣の袖は乾く間もありません
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この歌は巫部麻蘇娘子(かむなぎべのまそのをとめ)が詠んだ恋歌二首のうちのひとつ。
「愛しいあなたと逢ったその日から今日まで私の衣の袖は乾く間もありません」と、最後に逢った日の逢瀬から今日まで涙の乾かない日がないとの恋の切なさを詠っています。
巫部麻蘇娘子については中臣系の氏族であるらしいこと以外詳しいことはなにもわからないようですが、その名前から巫女であった可能性もあるようですね。
また、巻八に巫部麻蘇娘子の歌に大伴家持が答えた歌があることから、家持とも親しい関係にいたようです。
あるいはこの歌の相手も家持の可能性もありそうですが…

まあ、万葉集巻四に集録されている恋歌は必ずしも実際の恋を詠ったものとは限らないので、この歌についてもあるいは戯れの歌であったのかも知れませんね。
そんな歌の背景などをいろいろと楽しみながら読むのもまた万葉集鑑賞の醍醐味のようにも思います。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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