万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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丹波大女娘子(たにはのおほめのをとめ)の歌三首

鴨鳥(かもどり)の遊ぶこの池に木(こ)の葉落ちて浮きたる心わが思はなくに

巻四(七一一)
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鴨鳥が遊ぶこの池に木の葉が落ちて浮かぶような、そんな浮いた心であなたに恋しているわけではないのです。
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この歌は丹波大女娘子(たにはのおほめのをとめ)の詠んだ三首の恋歌のうちのひとつ。
丹波大女娘子とは丹波の国の娘子の意味で、大女は通称でしょうか。
この娘子についても詳しいことはなにもわかっていないようです。

そんな丹波大女娘子の「鴨鳥が遊ぶこの池に木の葉が落ちて浮かぶような、そんな浮いた心であなたに恋しているわけではないのです。」と、自らの恋心がけっして一時の軽い気持ちでないことを訴えている切ない恋の一首ですね。
池に浮かぶ木の葉は「浮きたる心」の譬えですが、そこに鴨鳥が遊ぶことでさらにゆれ動く軽い気持ちを表現したもの。

この歌についてもどのような背景で詠まれたものなのかはわかりませんが、比喩の表現が豊かな魅力のある恋歌ですよね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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