万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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わが恋は千引(ちびき)の石(いは)を七(なな)ばかり首に繋(か)けむも神のまにまに

巻四(七四三)
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私の恋は千人引きの岩を七つばかり首にかけましょう。神さまの思し召しのままに…
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この歌も巻四(七四一)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほともすくねやかもち)が大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った十五首の恋歌うちの一首。
「千人引きの岩を七つばかり首にかけましょう。」とは、まじないのようなもので苦しい思いをする代わりに他の何かを得ようとたもの。
この場合は、もちろん大嬢との恋の成就を願っての神への願いでしょうか。
「私の恋が成就するならば千人引きの岩をも七つばかり首にかけましょう。神さまの思し召しのままに…」との神への祈りなわけですね。

万葉集の時代も後期のこの頃になると神々への畏怖も柿本人麿たちのころに比べてずいぶん薄れていたようですが、それでも人はやはり困った時は神頼みをしてしまうものなのでしょうね。
「千人引きの岩をも七つばかり首にかけましょう。」との家持の覚悟に、大嬢への思いの深さが感じられる一首のように思います。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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