万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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暮(ゆふ)さらば屋戸開(やどあ)け設(ま)けてわれ待たむ夢(いめ)に相見に来(こ)むとふ人を

巻四(七四四)
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夜になればわが家の戸を開けて私は待ちましょう。夢の中に逢いに来る君を
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この歌も巻四(七四一)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほともすくねやかもち)が大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った十五首の恋歌うちのひとつ。
この時代、夢の中に人が現れるのはその人が自分のことを深く思ってくれている証だと信じられていました。
それゆえに、家持も「夜になればわが家の戸を開けて私は待ちましょう。夢の中に君が逢いに来るのを」と、大嬢が今夜も夢の中に逢いに来てくれるのを待っていますとの歌を贈ったわけですね。
巻四(七四一)の歌で、夢での逢瀬から目覚めた後の切なさを詠いながらも、それでも夢ででも逢いたいと思ってしまうのが恋心なのでしょう。

そんなにも逢いたいのならば実際に大嬢のもとに出向いてゆけばいいのにとの気もしますが、何時の時代も男女の逢瀬には様々な障害があるものなのでしょうね。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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