万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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相見てはしましく恋は和(な)ぎむかと思へどいよよ恋ひまさりけり
巻四(七五三)
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お逢いしてしばらくは恋の切なさも和らぐかと思ったけれど、ますます恋心がつのってきました。
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この歌も巻四(七四一)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほともすくねやかもち)が大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った十五首の恋歌うちの一首。
「一度逢うことが出来ればしばらくは恋の切なさも和らぐかと思ったけれど、逢うことで逆にますます恋心がつのってきました。」との、大嬢への思いの深さがここでも詠われています。
たしかに、恋心というものは一度逢ったぐらいで鎮まるものではなく、逢えば逢うほどに逆にますます恋しさがつのってくるものなのでしょうね。
家持のこの歌も、千数百年も前に詠まれたものでありながら現在人となんら変わらぬ恋の思いが詠われていますね。
人が人を思う気持ちは、きっと過去も未来も変わることがないのでしょう。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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