万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


紀女郎(きのいらつめ)の大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)に贈れる歌二首 女郎は名を小鹿(をしか)といへり

神さぶと否(いな)とにはあらねはたやはたたかくして後(のち)にさぶしけむかも

巻四(七六二)
--------------------------------------------
年を取っているからという訳ではないのですが…、とはいえこんな老の実で恋しては後で寂しい思いをすることになるでしょう。
--------------------------------------------

この歌は紀女郎(きのいらつめ)が大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)に贈った二首の相聞歌の内の一首。
紀女郎は安貴王(あきのおほきみ)の妻で、この頃はすでにこの時代としては高齢の女性だったようです。
この歌はそんな紀女郎が大伴家持に贈った恋歌で家持からの恋の誘いに戸惑う内容となっていますが、これはどうやら実際の恋愛歌ではなく戯れで詠んだ相聞歌のようですね。

「神さぶ」とは女性が年老いた状態のこと。
「年を取っているからという訳ではないのですが…、とはいえこんな老の実で恋しては後で捨てられて寂しい思いをすることになるでしょう。」と、若い家持を相手に恋歌で戯れて楽しませようとしたわけですね。

実際の言葉としてでは気恥ずかしいことも、このように短歌の調べに乗せれば戯れとして気軽に伝えられるところに歌の包容力のようなものが感じられる一首ですよね。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販