万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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正月(むつき)立ち春の来(きた)らばかくしこそ梅を招(を)きつつ楽(たの)しきを経(へ)め

大弐紀卿(だいにきのまへつきみ)

巻五(八一五)
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正月になって新春がやってきたならこのように梅の寿を招いて楽しき日を過ごそう。
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この歌は大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
天平二年正月十三日、大伴旅人は自らの邸宅に大宰府の主要な官人を招いて庭の梅を愛でる宴を開きました。

この歌はその席上で詠まれた三十二首の歌のうちの一首で、大弐紀卿が詠んだもの。
大弐(だいに)は大宰府の次官で紀卿については名は不明なようですが、おそらく紀男人(きのをひと)のことでしょう。

この「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌は、三十二人が八人ずつ四群に分かれて詠みまわされたもので、万葉集巻五に収録されている順に詠まれたものとなっています。
つまりはこの紀卿の歌が一番最初に詠まれたわけですね。
歌の内容としては「正月になって新春がやってきたならこのように梅の寿を招いて楽しき日を過ごそう。」と、一群の歌の冒頭の呪歌として寿を招く目出度い内容の一首となっています。


梅の花。
万葉集に詠まれている梅は白梅がほとんどのようです。


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万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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