万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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万代(よるづよ)に年は来経(きふ)とも梅の花絶ゆることなく咲き渡るべし

筑前介佐氏子首(すけさしのこおびと)

巻五(八三〇)
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万年の年を経るとも梅の花は絶えることなく咲き続けるがよい。
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この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつで、第二集団の最後の歌。
「介(すけ)」は二等官。
「佐氏子首(さしのこおびと)」は詳しいことはわかりませんが、佐伯(さへき)氏のことでしょうか。

「万年の年を経るとも梅の花は絶えることなく咲き続けるがよい。」と、梅の花の絶えることなく咲き続けよとの願いを込めて詠い、第二集団の歌の最期を締める一首となっています。
こうして見ると、自由な詠いまわしの席でありながらそれそれが一座の中での自分の歌の役目のようなものを肌で感じ取っているのか、見事にそれぞれの歌を詠い分けていることに驚かされますね。
この「梅花(うめのはな)の歌」三十二首は、そんな歌の趣を理解する人々の共同作業によって生み出された一種の連作といえるでしょう。

以上、ここまでが第二集団の八首の歌でした。
第三集団の歌に続きます。


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万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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