万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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梅の花今盛りなり百鳥(ももどり)の声の恋(こほ)しき春来たるらし

少令史田氏肥人(せうりやうしでんしのうまひと)

巻五(八三四)
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梅の花は今が盛りだ鳥々たちの声も恋しい春がやって来るらしい
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この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
「少令史(せうりやうし)」は「大令史(だいりやうし)」の下官。
田氏肥人(でんしのうまひと)については詳しいことは何もわかっていないようです。

歌の内容は「梅の花は今が盛りだ鳥々たちの声も恋しい春がやって来るらしい」といった感じで、梅の花も見ごろに咲いて春がやってくる喜びを詠った目出度い一首ですね。
「春来たるらし」は、この時代、季節は神々が連れて来るものと考えられていたので、そんな季節を運んでくる「まれびと神」の到来を祝う伝統的な内容を踏襲した歌でもあります。
「百鳥(ももどり)」は様々な鳥のこと。
そんな鳥たちの鳴き声も実際に聞こえて来るような、まさにこの宴の席にぴったりの華やいだ一首ですね。


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万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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